ガラス 特殊加工

型板ガラスってどんなガラス?特徴やデザインについて解説します

型板ガラスとは


みなさん、こんにちは!安藤です。

ボコボコで、つぶつぶで、透明だけど向こう側が見えにくい、この板ガラスって何者なんでしょうか?

「窓ガラスが割れてしまったので自分で交換したい」という方や「こだわりの家具や建具を製作したい」という方に向けて、お役に立つガラス情報をプロの目線で総合的にお伝えします。

型板ガラスっていったい何者なの?

「型板硝子」というこの漢字、どのように読むかわかりますか?「けいばんガラス」ではありませんよ。

答えは、「かたいたガラス」と読みます。耳慣れない言葉ですが、身近にたくさんあるガラスです。
型板ガラスの「型」とはどういう意味でしょうか?またどのように使われているのかご紹介します。

型板ガラスの特徴

型板ガラスは普通の透明なガラスのように表面が平らではありません。
そのために光の屈折が起き、ガラス越しの風景や像がぼやけたり、形がゆがんで見えます。

その凹凸の形状によってぼんやり曇って見えるものや、とても見えにくい物など様々な種類があります。
光を遮るわけではないので明るさは透明ガラスと変わりません。

但し、透明ガラスに比べて、そこにガラスがある、と視覚的にハッキリとわかるので、閉塞感、圧迫感を感じてしまうのは否めません。

型板ガラスの使われ方

型板ガラスは、一般的には窓ガラスに多く使われています。
特に型板ガラスの効果が発揮されるのは、プライバシーに配慮する必要がある場所です。トイレや浴室の窓、居室に使えば屋外からのぞかれる心配はありません。

また、デザイン性が高いため、食器棚の扉やテーブルトップに使われることや、照明器具のシェードに採用されることもあります。

型板ガラスはこうしてできる

型板ガラスの名前の通り、ガラスが柔らかいうちに表面に模様のある「型(かた)」を押し当てることでパターンを付けています。大規模工場で連続的に製造する場合は、熱で柔らかく溶けたガラスを2本のロールの間を通しながら、下ロールに彫刻した模様を刻みこむ「ロールアウト法」で製造されます。

型板ガラスのデザイン

窓のサッシに使われる一般的なパターンや、昭和レトロなデザインパターンなど、数限りない種類が製造されています。どんなデザインがあるのか、画像を使って型板ガラスの世界をご案内いたします。

定番シリーズ

①霞(かすみ)
皆様が最もよく目にするのがこの「霞(かすみ)」模様です。旭硝子、日本板硝子等どのメーカーでも製造されています。住宅のサッシや間仕切りのドアに使われています。4mm厚が一般的ですが、1辺が1mを超えるような大きな窓には6mm厚も使用されます。
また、建築基準で延焼の恐れのある場所に使用する「ワイヤー入り」のカスミガラスは6.8mm厚になります。



②梨地(なしじ)
霞(かすみ)に比べて目が細かいのが特徴です。昭和から室内用のガラス障子やドアに使われていました。懐かしく思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。2mm厚しかありません。昔はこの梨地(なしじ)模様を下地にし星を浮かばせた「銀河」「夜空」という名前の物や花柄の物などたくさんの種類のデザインも製造されていました。



③チェッカーガラス (モザイクガラス、ワッフルガラス、リストラルM)
12mm~15mmほどのマス目の模様です。表裏がレンズのように膨らんでいます。カントリー調家具の扉やアンティーク調の建具によく使われる定番品です。
とくにヨーロッパのガラスメーカー「サンゴバン社」のリストラルMという名前のチェッカーガラスが国内で流通しています。



④モールガラス
昔ながらの定番ガラスです。レトロ調の食器棚や扉によく使われています。モールの幅は約12mmで波型の凹凸があります。
チェッカーガラスとは違って片面は平らになっています。



⑤フローラ
こちらも昔からよく使われている型板ガラスです。およそ3cmピッチで花模様の連続パターンになっています。無色以外にも青黄緑などカラーバリエーションもあります。よく見るとフローラ模様が縦長になっています。横向きに使うとふっくらしたレトロなイメージに使うこともできます。



⑥石目調、キャセオーナメント、モニュメンタル
石目の模様は昔から窓ガラスなどによく使われていました。最近はヨーロッパのサンゴバン社が製造しているキャセオーナメント(モニュメンタルM)という品名で流通しています。変わった使い方として食器(お皿)に採用されたこともあります。

こんな変わった模様もあります

①サハラクリア
カスミや梨地に似た細かい粒のパターンですが、カスミより粒が倍以上大きく全体に緩やかな波模様もあるため優しく透明感があります。名前から砂漠や砂のイメージでしょうか。



②アルトクリア アルトドイッチェ 泡入り
製造上、厳密には型板硝子ではないかもしれませんが、表面に刷毛で引いたようなランダムな模様と泡が特徴の人気のガラスです。レストランの窓装飾によく見かけます。過去にはグレーやブルーなどカラーバリエーションがあったのですが残念ながら廃盤になってしまいました。サンゴパン社製、ヨーロッパデザインです。



③アブストラクト
古代のクサビ型文字のように深くシャープな掘り込みが不連続に入っています。アブストラクトは「抽象的」という意味ですが、サンゴバン社がなぜこのような名前にしたのかは謎です。



④エストラド (ルミネ)
約2mmの細かいリブが均一に並んでいます。現代的なデザインですが、例えるなら洗濯板のような表面です。裏側はツルツルです。他の型板デザインと比較するとガラス越しの色や形が解りやすいのでトイレやお風呂の窓には不向きです。



⑤シルビークリア シルビ―ブロンズ
サンゴバン社のヨーロッパデザインガラスです。上から下、縦にランダムな流れがあるデザインです。まるでごつごつした木の皮のようです。写真では見にくいですが、気泡があるわけではありません。人気のデザインです。樹皮のイメージがより強いブロンズ色も製造されています。



⑥リストラルF
細かい模様なのでプライバシー効果抜群です。ガラス面に近づいても形がよく解らなくなります。よく見ると約2mm角の小さなピラミットがびっしり並んでいます。ダイヤモンドがきらきら光っているようです。



⑦マスターカレ
約1センチ間隔で2mm角の小さく透明なドットが並んでいます。画像ではわかりにくいですが、ベースの生地も透明ではなくフロストガラス(スリガラス)のように細かく処理されています。料金は少し高めですが、ヨーロッパモダンに合うかっこいいデザインです。



⑧マスターレイ
マスターカレに似ていますが、25mm×2mmの透明で細長いスティックが並んでいます。ベース部分が細かい粒々の曇りガラスになっていて光を軟かく拡散させます。サンゴバン社型板硝子です。都会的なイメージに使われることが多いです。

型板ガラスはどのくらい目隠しになるのか?

型板ガラスのように視線を遮るためのガラスはほかにもあります。それらの違いと特徴を型板ガラスと比較してみます。

ほかの目隠しガラス

①スリガラス
スリガラスも昔から目隠しガラスとして利用されてきました。「真っ白」に見えることが型板ガラスとの大きな違いで、ガラス越しの色や形がとてもわかりにくいです。しかし、表面の凹凸が細かいので汚れが付きやすくお掃除がしにくい事と、型板ガラスに比べて弱く割れやすい欠点があります。



 

②フロストガラス(タペストリーガラス)
スリガラスと同じように目隠しが可能ですが、もう少しおしゃれなインテリアに使われることが多く、スリガラスよりも透けています。また汚れの付きやすさや、割れやすさの問題を改善しています。しかしこのガラスの欠点はなにより価格が高いことです。型板ガラスと比べて同じ厚さの物が倍以上の値段になります。
簡単な製造方法の型板ガラスとは違って、フロストガラスは製造工程が多いことが原因です。

スリガラスやフロストガラスについての詳しい内容は、以下の記事でも紹介しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。




 

凸凹面をどちらに向ける?

型板ガラスにはザラザラの面つるつるの平らな面があります。どちらが裏でどちらが表というわけではありませんが、窓に取り付ける際にはどちら側にするか決まりがあります。その考えの基本は汚れが付きやすいかどうかです。

たとえば窓が道路に面している場合は、道路側のほうが汚れが付きやすく、お掃除もしにくいので、つるつる面道路側に向けます。
つまり、汚れのつきにくい室内側がザラザラです。

また、室内同士の間仕切りの場合、決まりはありませんが、やはり汚れやすい側(例えばキッチン側)につるつる面を向けるほうがいいでしょう。
ものすごいヘビースモーカーならタバコを吸う部屋側をつるつるにするのもいいかもしれません。

ペアガラスや複層ガラスの場合でも凸凹面は表面にならないように内側(空気層側)に向けられています。
お手入れのことを考えた向きで、型板ガラスを設置するのが大切です。

ネットで、自由なサイズで、簡単に買えます!

今回解説したガラスは、どなたでもオンラインで購入することが出来ます。

また、Web上の自販機にサイズや厚みを入力するだけで、簡単に見積り、注文が出来ます。
どんなものを買うかは決まっていて、後は買うだけ!という方はこちらの自販機が大変便利です。
以下のリンクより、是非ご利用ください。

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「自動販売機サイトを見たけど、使い方がよくわからない。」という方は以下の記事を参考にしてみてください。

強化加工について

型板ガラスは最初から凹凸模様があるので強化ガラスにはできません。
ですので、「強化加工を行いたいが目隠しもしたい」、という場合はスリガラスやフロストガラスをご検討下さい。

厚みが欲しい!

型板ガラスを選ぶ際、厚さの選択肢は少ないものの、ある程度は厚みを選ぶことが出来ます。

・なしじ模様2mm
・かすみ模様4mm6mm
・チェッカーなどデザイン系4mm

一般的に使われる厚さとしては以下のようになります。大きさや使用環境などから安全な厚さを選ぶことになります。

・室内の引戸  2mm~4mm
・屋外とのサッシ窓 4mm~6mm

実際に割れたものを測れるならいいのですが、新しく作る場合や無くなってわからない場合は、ここからプロにご相談を!

まとめ

型板ガラスの代表は「霞(かすみ)」「梨地(なしじ)」そのほかにもたくさんの種類が販売されています。

型板ガラスは、スリガラスやフロストガラスより目隠しガラスとして長所が多く、あらゆる場所で普及しています。

お掃除のことを考え、汚れにくい側にふき取りづらいザラザラの面を向けてください。

ライター

安藤

安藤

この道30年。ガラス、鏡のことなら何でもおまかせ! 寝ても覚めても頭の中はガラスと鏡でいっぱい(笑) 正しい知識でガラスと鏡の購入をしっかりサポートします。