窓ガラスフィルムの飛散防止だけじゃない驚きの効果とは?
2024/12/11
こんにちは!ガラス専門店コーワの安藤です。
窓ガラスは、台風や大雨などの自然災害や思わぬトラブルによって割れてしまうことがあります。割れると大変なのが、飛び散ったガラスをお掃除すること。小さな破片が意外と広範囲にわたって飛んでしまいますし、透明なので見えにくくて厄介です。見落とすと足で踏んでしまい、怪我をしてしまって大変です。
そこでおすすめしたいのが、「飛散防止フィルム」。その名の通り、窓ガラスが割れたときに飛び散るのを防いでくれる透明のフィルムです。でもこのフィルム、役に立つのは割れた時だけじゃないんです。実は、飛散防止フィルムはとっても多機能。貼っておくだけで普段からすばらしい効果を発揮してくれるんですよ。
でも、ちょっとした注意点も。実は、飛散防止フィルムを「貼ってはいけない」窓ガラスもあるんです。
そこで今回は、飛散防止フィルムがもつすばらしい機能や貼る際のポイントをご紹介。知識があれば、「貼ることでどんなメリットがあるのか」「どの窓に貼ればいいか」が分かります。ぜひ貼る前にチェックして、参考にしてくださいね。
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飛散防止フィルムは窓ガラスに貼るだけで事故を防止!
台風や地震などの災害への備えとして、まず挙げられるのが窓ガラスの備えですよね。台風前にガムテープで窓にペケ印に貼って予防したりしますが、見た目に悪いですし、あまり飛散防止になっているようには見えません(笑)
このような災害対策として有効なのが窓ガラス用の飛散防止フィルムです。
この項目では飛散防止フィルムの特徴やその効果について説明していきます。
そもそも飛散防止用フィルムとは?
飛散防止フィルムとはその名の通り、窓ガラスや家具用のガラスが割れた際、破片が飛び散らないように防止をしてくれるフィルムのことです。
窓ガラスに何も対策をしていない場合、台風や地震で窓ガラスが割れると破片が周囲に飛び散ってしまい、ケガをしてしまったり避難が遅れたりして被害が広がる恐れがありますが、飛散防止フィルムを貼っておくことによって、窓ガラスが割れたとしても破片が飛び散ることなく窓枠にとどまり、ケガのリスクを抑え迅速な避難を実現できるのです。
ガラスフィルムの取り付けに大掛かりな施工は必要なく、ただ窓ガラス等に貼るだけで効果を得ることできます。簡単な作業だけで窓ガラスが割れた際の危険を最小限に抑えてくれます。
ただし窓ガラスが割れることを防ぐというよりは、ガラスが割れてもその破片が飛び散らないようにすることで周囲の安全を確保するというイメージです。残念ながらガラスを強くしたり割れにくくする効果はないので、その点は注意してください。
飛散防止用フィルムの製造メーカー毎の特徴
飛散防止のための窓ガラスフィルムは国内外の樹脂・化学系の会社が製造しています。
実際に飛散防止用フィルムとしておすすめなのがリンテック社(ウィンコス)の「ルミクールシリーズ」や3M社の「透明飛散防止シリーズ」です。インテリアメーカーの「サンゲツ」や「中川ケミカル」なども一般に普及しています。
リンテック社ルミクールシリーズ(品番1501UH)は厚さが77㎛(マイクロメートル)、3M社の透明飛散防止シリーズの厚さは76㎛とものすごく薄いフィルムで出来ています。いずれも光(可視光)の透過率は90%以上で、いくらじっくり詳しく見てもフィルムが貼ってあるのか貼ってないのか見分けることはできません。
1㎛(マイクロメートル)は1㎜の1000分の1の長さですから、どれほど薄いフィルムかがわかると思います。
その他、紫外線透過率はルミクールシリーズが1%以下、3M社の透明飛散防止シリーズが0.1%以下とUVカット効果にも優れ、紫外線による家具やフローリングの劣化対策にもなります。太陽光を透過する率である日射透過率は両者とも約81~83%で、17~19%の日光を遮断してくれます。
窓ガラス用フィルムの飛散防止以外の様々な効果について
窓ガラス用フィルムの一番の目的は、もちろんガラスが割れた時の飛散を防止するためですが、それ以外にも様々な追加機能を持ったものがあります。
ガラスフィルムを貼ると飛散防止以外に具体的にどのような効果があるのかについて見ていきましょう。
窓用フィルムの防犯効果で安全を確保!
窓ガラスフィルムを貼っておくこと一番の効果は飛散防止ですが、実は防犯面でも効果があります。
フィルムがあることで不審者がガラスを割るのに時間がかかり、屋内へ侵入する確率を下げることができるのです。
先ほども述べたように窓ガラス自体の強度が上がるわけではありませんが、フィルムがあるとカギを開けるためのスペースを空けるのに手間がかかるようになります。
侵入者は手間取ることを一番嫌いますので、ガラスフィルムは防犯にも効果的と言えます。
紫外線カットにより人体や家具を保護
先ほど紹介した飛散防止フィルムは、いずれも紫外線カット効果を持っています。
紫外線カット効果を持つフィルムはUV-A波もUV-B波もほぼ100%カットするので、人の日焼け防止対策だけでなく家具やフローリングの劣化対策に効果があります。
カーテンでも紫外線はカットできますが、カーテンを開けて太陽光を入れながらも、紫外線はきっちりブロックできるのは窓用ガラスフィルムの大きなメリットです。
目隠し効果や断熱効果のあるフィルムも
さらにすりガラスタイプやフロストガラスタイプのフィルムを貼れば、周囲の視線から室内を隠す目隠し効果を得ることもできます。光を通すことで熱や明るさだけを取り入れ、輪郭や形をわからなくすることができます。
フロスト調フィルムやスモーク色付きフィルムがそういった効果を持つフィルムで、貼るだけで透明なガラスをすりガラスとほぼ同じような見た目にでき、費用はすりガラスよりも安価に抑えられます。柵や壁を設置するよりも見た目にもスマートです。
それとは全く逆にフィルムを貼ることでガラスが見えなくなってしまう「反射防止フィルム」もあります。ガラスは透明なようで意外と光が反射していて、例えば美術品や美しい夜景を邪魔して見えにくくすることがあります。その光の反射(てかり)を抑えてガラスの存在を消す効果があります。
また、マジックミラータイプのフィルムには高い断熱効果があります。夏は外からの太陽光や熱をブロックし、冬も外の冷気をブロックしながらエアコンの暖かい風が窓ガラスで冷やされないため保温効果があります。
ガラスフィルムは部屋に見た目のデザイン性だけではなく光熱費削減やエコといった面でも役に立つんですね。
その他にも、様々な機能のフィルムが開発されています。興味があればこちらの動画もご覧ください。
フィルム導入で気を付けたいこと
様々な機能を持ちメリットだらけに見えるフィルムですが、もちろん注意点もあります。
この項目ではガラスフィルムを設置する際の注意点について説明します。
窓ガラス用フィルムの寿命は?
ガラスフィルムにも寿命があり、年を経るごとに劣化が進むため、一定期間ごとに貼りかえ作業が必要になります。
製品にもよりますが、窓ガラスの内側(室内)に貼ったフィルムはだいたい10年ほどで寿命を迎えます。
古くなったフィルムは飛散防止機能が落ちるため、少なくとも10年間隔でガラスフィルムは交換するようにしましょう。
窓ガラスの熱割れに注意!
窓ガラスの一部が急激に温められ、その他の部分が冷たい状態の場合、熱膨張率の違いから窓ガラスが割れることがあります。
特に色の濃いフィルムを貼ってしまうと、このような熱割れの可能性がより高まります。
透明なフィルムや白っぽいフィルム、マジックミラー状のフィルムは熱をため込みにくいため、熱割れが心配な場合はこれらのフィルムを使うことがおすすめです。
貼る面はどっち?原則は内側!
窓ガラスにフィルムを貼る際は、窓の内側(室内側)に貼るのが原則です。
ガラスの内側部分が、型板ガラス・すりガラスになっている場合や高所で施工できないなどでフィルムが貼れない場合は屋外側にフィルムを貼ることになりますが、やはり雨風などの外の環境にさらされる分寿命が短くなってしまいます。
やむを得ず窓ガラスの外側にフィルムを貼る場合は、外貼り可能なフィルムを使用するようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?ここまで、窓ガラスに貼る飛散防止フィルムや様々な効果を持つフィルムについて紹介しました。
台風や地震による被害は、今やいつ起こってもおかしくないという状況にあります。準備のできるうちに、高機能なフィルムを貼って対策をしておきましょう。
【動画】ネコロボ事件簿「飛散防止だけじゃない?!ガラスフィルム」
ライター
博士
鏡とガラスの専門家・ドクターKです。「博士」と呼ばれています。皆さんがよく巻き込まれるトラブルの原因やメカニズムを動画やコラムでわかりやすく解説します。